ばぶ

医学に少し詳しい

高次脳機能障害とたたかう医大生①

僕は医学部3年生、脳神経の授業を受けている最中だ。

 

講義を受けているなかで自分に身近(というか自分が患者)な疾患が紹介された。聞いている

最中は思い当たる節がありすぎて自分は障害者という事実を突きつけられた気がしてコンプレ

ックスで押しつぶされそうになった。どこかに感情をぶつけないと気が済まなくなった。

 

僕は15才の時、交通事故に遭い意識不明、目が覚めたのは3週間後だった。

 

びまん性軸索損傷という致死率60%の怪我から運良く目が冷めたが高次脳機能障害という重い後遺症を背負ってしまった。

 

まず左半身がほとんど動かなかった。スプーンも持てない、立てない、歩けない。

 

IQもだいぶ下がっていた。たしか80台だった。

 

高校入りたてでたしか2次関数を授業でやっていたあたりだったと思う。

 

県で2、3番目の進学校に通っていたので勉強には絶対遅れたくないと思い、教科書を開いた

けど、文字が頭に入ってこない。集中力が続かない。がんばって読んでも内容を理解できな

い、覚えられない。

 

絶望しかなかった。

 

高校で部活、勉強とか充実した生活が始まってすぐになぜこんな辛いのか。

 

本当に冗談だとおもった、悪い夢だと。

 

悲しいことに現実だった。

 

でも家族や友達が生きていることに涙をながして喜んでくれたから目が覚めて最初の1ヶ月くらいは生きていることに感謝の気持ちでいっぱいだった。

 

2ヶ月がたったころ、最初に救急車で運ばれた病院からリハビリ専門の病院に転院となった。

 

障害はおってしまったが、担任の先生、同級生も応援してくれたから、復学するためにリハビリ漬けの日々をこれから約1年ほどおくった。

 

そのなかで、自分の背ってしまった障害の重さに押しつぶされそうになる日々が始まった、、、、

 

この文章が同じ高次脳機能障害を背負ったひとに届いてほしい。